深刻化する3つの対立

これからの日本がどうなっていくかを考えた時、3つの対立を意識するようにしている。日本国内は人口減少期に入り、限られたパイの争奪戦が激しさを増す中、それらの対立が先鋭化する可能性が高い。

1つ目は、都市と地方の対立だ。東京一極集中など都市化がさらに進む一方、地方の過疎化は深刻さを増している。費用対効果の高い都市に集中投資し、都市が主体となって全国的な成長を牽引すべきとする都市派と、地方あってこその都市であり、まずは地方創生を進めるべきとする地方派の対立は、簡単に埋められそうもない。

2つ目は、高齢者と非高齢者の対立。団塊世代が高齢者になり、人口に占める高齢者の割合が急上昇する中、従来以上に発言力が強まっている。高齢者は、年金支給額の維持や、手厚い健康保険制度などを求めるのに対し、非高齢者は少子高齢化が進む中、増税を含む社会保険料の負担増を警戒するとともに、子ども手当の充実など将来の国を支える少子化対策を優先すべきと訴える。

最後は、富裕層と非富裕層の対立だ。国際水準に合った税金の負担軽減などを求める富裕層に対し、大企業や富裕層から税金をしっかりと徴収し、不足する社会保険などに充当すべきとする非富裕層の議論は平行線を辿ったままだ。

これら、都市と地方、高齢者と非高齢者、富裕層と非富裕層の3つの対立が現代の日本社会を大きく分断しようとしている。富裕層は都市に多いとか、地方は高齢者の比率が高いなど一定の傾向はあるが、3つの対立(分類)を軸に事象を分析すると、シンプルに問題の背景を読み解けることが少なくない。