起業して後悔したこと

会社員を辞め、会社を経営するようになって3年が過ぎた。自分自身が経営者に向いているかどうかは今も分からないが、会社勤めが向いていなかったことは実感する。「起業して後悔したことはないか」と聞かれることがよくあるが、後悔するとすれば、なぜもっと早く会社員に向いていないことを気付けなかったか、だ。

会社は顧客に製品やサービスを提供して対価を受け取る。企業として生き残っていけるかどうかは、提供する製品やサービスがそれらの生産に必要な費用を上回る価格で売れ続けるかどうかにかかっている。会社にとって生命線となる売り上げをもたらすのは、顧客しかない。だから会社員時代は、いかに顧客に評価してもらえるかのみを考えれば良いと、浅はかにも思っていた。

しかし、会社員を評価して昇給や出世などの待遇を決めるのは、顧客ではない。上司だけだ。今から振り返ると、そこをしっかりと理解できていなかった。いや、なるべく目を背けるようにしていたのかもしれない。

顧客の評価を高めることは、必ずしも上司の評価と同じではない。その反対に、上司に評価されることが、顧客にとってメリットをもたらすことばかりでもない。では、そんな時、会社員としていかなる立場を取るべきなのか。

全従業員は顧客のみを見て、どうすればもっと役に立てるかを常に考えて実践し、それがそのまま会社員としての評価につながるというのが、理想だ。外ではなく、内を向いて仕事をするようになったら終わりだ。顧客からの評価と上司の評価をいかに乖離させないか。経営者として、そんなシンプルな人事評価をつくっていきたいと思う。