ほとんどのオウンドメディアが失敗する理由

ウェブマガジン『Books&Apps』を運用し、オウンドメディアの運用支援も手掛けるティネクト(東京都中央区)の桃野泰徳CFOと話をする機会があった。企業はオウンドメディアの重要性を感じて立ち上げるものの、「誰にも読まれていないオウンドメディアがとても多い」と話す。

企業のブログやオウンドメディアは、公式ホームページからは分からない社内の雰囲気をそこはかとなく感じることができ、初めてその会社を営業で訪問する前や、リクルート中には役に立つのだが、一方でブラウザの「お気に入り」に登録し、継続的に見たいと思えるようなものはほとんどない。

その理由は、コンテンツの質の問題に尽きるのだが、オウンドメディアが陥りがちなつまらない内容には、大きく2つのタイプがある。

ひとつは、担当者の個人的な日記のような内容だ。見ず知らずの個人が何を食べようがどうでもいいし、どんな休みを過ごしたかも関心はない。お互いを知っている社内向けであれば見るかもしれないが、不特定多数に対しては、よほど特徴がない限り読まれることはない。

もうひとつは、自社の製品やサービスの宣伝ばかりが載ったサイト。製品やサービスは企業ホームページを読めば十分だし、よほどのマニアでなければ何度も見ようとは思わない。しつこい販売員に出会ってしまった時のように、すぐにその場を立ち去りたくなるだけだ。

成功しているオウンドメディアは何が違うのだろうか。乱暴にいえば、PV(ページビュー)数を稼げていることがまずは重要だ。

では、どうすればPV数を増やせるかといえば、当たり前だが、読みたくなるコンテンツを頻繁に発信できるかどうかにかかっている。そのためには、自社製品を押し売りするのではなく、読者が困っていることを解決するためであれば、時には他社製品でも薦めるような客観性なども必要になってくるだろう。

企業側からは「自分たちはオウンドメディアを通じて売上高を増やしたいのであって、PV数を上げることが目的ではない」との反論が聞こえてきそうだが、誰も見ないオウンドメディアに存在価値などない。まずは「PVファースト」。マネタイズの方法は、それに成功してからでも遅くないはずだ。