話題のWeWorkを見学して

関西エリア進出の初弾となる「WeWorkなんばスカイオ」(大阪市中央区)を先週、遅ればせながら見学してきた。これまでWeWorkについて聞くことは少なくなかったが、今回の見学を通じて考えを改めた部分があったので記しておきたい。

日本語版のウィキペディアによると、WeWorkは「起業家向けのコワーキングスペースを提供するアメリカの会社」とあり、メディアでも同社を形容する単語として、スタートアップやコワーキングスペースを使うケースが多い。私もそのような文脈で認識し、急増するコワーキングスペースの1社として捉えていた。

コワーキングスペースといえば、フリーアドレスの机が並んでいて、月払いや日払いの利用料を払えば、空いている席を使うことが一般的。

WeWorkでも、ホットデスクと呼ばれる一般的なコワーキングスペースの仕組みも持っている。ただ、このホットデスクは全体の1割にも満たず、施設内に固定の個室オフィスに入居する利用者が大部分を占める。「コワーキング」というよりも、「シェアードオフィス」という方が実態に近い。

営業担当者の言葉で印象深かったのは、「大手企業が自社ビルを建てて中長期的に運用していた従来に対して、同一レベルの空間を必要な時に必要な面積だけ貸し出すサービス」と自社を位置付けていた点だ。

空間に加えて、毎日の清掃、受付サービス、コーヒーや生ビールなどのアメニティも提供、大手企業が求める快適性やセキュリティ、事業継続性、ネット環境などを標準的に備えている。アマゾンのクラウドコンピューティングサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」のオフィス版といったところか。

大手企業がハイスペックのビルを一等地に自社で建てるのに比べてコスト的な削減効果は見込めるかもしれないが、大手企業以外から見ると価格的には高い。メインのプライベートオフィスの場合、WeWorkなんばスカイオが1席当たり月8万円程度、6月に開業するWeWork御堂筋フロンティア(大阪市北区)は1席当たり月10万円程度という。

【6月に開業するWeWork御堂筋フロンティア】

事務所代として従業員1人当たり月8-10万円を払えるのは、中小企業でそれほど多くはないだろう。そういう点からも、同社にとって当面のメインターゲットは大手企業による自社ビルやオフィステナントからの乗り換えであり、フリーランスなどの利用も多い一般的なコワーキングスペースとは、明確な棲み分けがあるように感じた。