現代版シルクロードは新型ウイルスも運ぶ?

世界的に感染が広がる新型ウイルス。国別の感染者数を見ると、今回の発端となった中国の周辺国である韓国や日本、シンガポールなどに加えて、飛び地のようにイランやイタリアでも感染が広がっている。特にイタリアは感染者数が400人を突破し、周辺のヨーロッパ各国は警戒を強めている。

年末年始にイランを訪問し、このブログでも指摘したが、イランは米国との対立が続く中、中国の影響力が飛躍的に高まっている。エネルギーや交通分野での協力を強化、300㌔㍍にも及ぶ鉄道建設や地下鉄整備事業が動き出している。また、観光分野でも中国の存在感は増しており、高級ホテルでも中国人客の姿が目立った。

中国とイランの結びつきの強さから、イランで新型ウイルスの感染が広がっているニュースを聞いた時も、「やはり」という印象しかなかった。

中国とイランを結び付けているのが、中国が推し進める巨大な経済圏構想「一帯一路」。アジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぎ、貿易を活発化し、経済成長につなげる。習近平国家主席が2013年に打ち出し、すでに世界で100カ国を超える国が参加している。中国は、一帯一路の重要沿線国としてイランを位置付けており、両国の関係が深まっている。

そして、イタリア。約1年前の19年3月のこんなニュースを覚えている人もいるだろう。イタリアのコンテ首相が主要7カ国(G7)のメンバーとして初めて、一帯一路に協力する覚書を中国の習国家主席とローマで結んだという内容。覚書では、一帯一路構想の一環としてイタリア北部の港湾建設などを具体的に挙げている。イタリア北部は今回の新型ウイルス感染の中心地となっており、一帯一路との関連性も疑われる。

中国とヨーロッパをつないだ交易路「シルクロード」の現代版ともいわれる一帯一路。蘇った絹の道は、伝染病も運んだのだろうか。

実は14世紀に世界規模で大流行し、ヨーロッパの全人口を半減させた伝染病「ペスト(黒死病)」も、シルクロードが大きな役割を果たした。この時も発生源は中国大陸で、中央アジアを経て、イタリアに上陸したという。これは単なる偶然だろうか。

【中国、イラン、イタリアの国旗が仲良く並ぶイランの高級ホテルロビー】