在宅勤務の普及で生まれるマンションの新ニーズ

新型コロナウイルス感染症の拡大で、『在宅勤務』の導入が広がっている。従来からテレワークやモバイルワークといった新しい働き方が注目されていたが、実際に導入する企業は多くなかった。しかし、今回のコロナ騒動を機に、企業はある意味“強制的”に導入せざるを得ない状況に追い込まれている。

世界的に在宅勤務への切り替えが進む中、米Twitter社は、希望する従業員はずっと在宅勤務にすると公表した。

日本でもアフターコロナのフェーズに入っても、在宅勤務の導入を続ける企業が増えることが予想される。こうした在宅勤務の普及は、従来のオフィスや住宅、さらにはまちづくりにも大きなインパクトを与えるだろう。

たとえば、マンション-―。従来から「SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)」に対応した共同住宅はあったが、主な対象はフリーランスで、会社員の在宅勤務はほとんど想定されていなかった。

会社員の在宅勤務がより一般化すれば、マンション新築時の間取りにも影響を与える可能性がある。静かで集中できるとともに、電話やテレビ会議でも話をしやすい部屋の環境が求められ、インターネット回線を引きやすい配置など、間取りや部屋のつくりがポイントになる。

自宅から出ないという面では課題があるが、マンションの共有部分にコワーキングスペースを設ける取り組みも可能性がある。各戸にオフィス機能を持たせるのではなく、同じ建物内に住民専用の仕事場を設け、空間をシェアする考え方だ。従来も大規模マンションの一部には、共有のライブラリーを設置する事例があり、そのコワーキング版が新たな潮流になりえる。

負の面ばかりが強調されがちな新型コロナの影響。しかし、人々の暮らし方や働き方が大きく変化する中、新たなニーズを商機に変える取り組みがこれから増えるだろう。